学園祭の後に振り替え休日があり、望巳たちが次に学校に来たのは、とても天気のいい火曜日のコトだった。



 後夜祭に参加しなかった望巳は多くの人から、その理由を聞かれたが、もちろん本当のことなど言えるわけもなく、適当に『だるいから帰った』とだけ告げるコトで逃げとおした。



 学園祭が終われば中間テストが近い証拠。



 先生たちは力を入れて授業を行っていたが、望巳はあまり興味がわかないものばかりだったので、適当に聞き流して一日を過ごす。



 そんな気だるい日程をこなしての放課後、いつもの喫煙所。



 珍しく、そこにサンマの姿はなかった・・・・。



「よぉ。」



 しばらくタバコを吸いながら呆けていると、現れたのは亜紀などではなく、小林速人。



「よぉ。・・・・どうしたんだ速人?お前なんかが珍しい。」



 速人とここで会うのは、数ヶ月ぶり。二学期になってからは初めてのことだ。



「たまにはな・・・あ、俺にも一本くれ。」



 速人は、望巳の隣に行くと、あぐらをかくように腰をつける。



「お前が?」



 珍しいこともあるものだ。