「仕方ないよ・・・そんな思いをしたなら、誰だってそうなるさ・・・。」



 本当はもっと別にことが言いたかったはずなのに、言葉が見つからなかった。



 17年という人生は、こんな状況においてはあまりにも短く、経験が足らないことを痛感させられる。



「ありがとう・・・。」



 それでも、無理やり笑顔を作ってお礼を言ってくれる大場さんは、とても可愛らしかった。



「どういたしまして・・・・。俺もしばらくここに居るからさ。落ち着いたら、一緒に校庭に行こう。もう後夜祭が始まってるよ。」



 今、大場さんにそれを言うのは、酷な気がした。



 もどったら、二人に出会ってしまうかもしれない・・・。



 二人が一緒にいるところを見てしまうかもしれない・・・・。



 でも、それ以外の慰めの言葉が見つからなかった。



 ボキャブラリーの数は年齢に比例する。



 望巳は、このときほど17年という短い人生を呪ったコトはなかった・・・。