「元々たいした怪我じゃなかったからね・・・。」

 すっかり、傷の癒えた顔で笑顔を作る。

 本当にたいした怪我じゃなかったのだ。

 ・・・・手加減されていたんだから・・・・・。

「そっかぁ~・・・でも、子どもと遊んでいて、あんなに怪我するなんて、望巳君もそそっかしいね。」

 とりあえず、傷だらけで学校に行ったとき、周りのみんなにした言い訳。

 どう見てもケンカの後だったのだが、怪我の程度から、大方の人たちは信用してくれた。



「最近の子供もけっこう、力あるからね~。油断していたよ。」



 そこまで話したところで、望巳たちに1年生と思われ風紀委員の生徒が声をかけてきた。



「先輩。こんなところで、堂々と浮気して良いんですか?早川先輩に言いつけますよ。」



 ・・・・・・・・・・・・・え?