「どういたしまして。ねぇ、私も一緒にいい?」



 大場さんからの意外すぎる提案。



「もちろん。」



 断る道理はどこにもない。



 こんなことなら、少し髪の毛をいじってから来るんだったかも・・・。



「ありがとう。」



 大場さんは相変わらず可愛らしい笑みを浮かべると、一度カウンターに戻り、自分の分の紅茶とクッキーを持ってくる。



 そして、愛らしい笑顔とともに、自分の向かい側の席に座った。



「お店の方は大丈夫なの?」



 確かに繁盛しているとは言いがたい喫茶店だが、それでも店番の格好しながら堂々とサボるのはいかがなものかと・・・。



「その辺は、大丈夫。新委員長の特権ってヤツだよ。・・・それより、久しぶりだね。こうやって望巳君とお話しするの。」



「うん。そうだね。」



 本当に、久しぶりだ。



 最後に話したのはいつのことだろう。



 少なくとも、夏休み前・・・。



 大場さんが・・・・・・先輩と別れる前・・・・・・・・・。