「ありがとう斉藤君。適当に空いている席に座ってよ。飲み物は、コーヒーと紅茶がるけど、どっちがいい?」



「それじゃあ、コーヒーで。」



「了解。」



 それだけ言うと、大場さんは笑顔を振りまき、奥のカウンターに消えていく。



 望巳は、とりあえず空いていた窓側の奥の席に座ると、じっと、大場さんがやってくるのを待った。



 念のため、灰皿を探しても見たが、こんなトコロにあるはずもない。



 もっとも、例えあったとしても、吸えるはずないのだが・・・。



「おまたせ~。」



 時間にして2分弱ぐらいしてから、大場さんがコーヒーとおつまみのクッキーを持ってやってくる。



 その姿は、一瞬言葉を忘れそうになるぐらいに可愛い。



「あ・・・ありがとう。」



 思わず、緊張から声が上ずった。