「だよね・・・やっぱり・・・それでも・・・。」



 それでも?



「・・・望巳くんだけは、しないと思ってた・・・・・・。」



 顔をうつぶせる早月さん。



 肩が微妙に揺れている



 髪の毛に隠れた顔から、涙が落ちてるのが見えた。



 望巳はそれに手を指し伸ばすこともなく、声をかける事もなくなく黙ってみていた・・・。



 外ではふってる霧雨はとうぶんやみそうにない・・・。



 秋と呼ぶには暑すぎる9月中旬の夜。



 熱帯夜は今夜も続きそうだ・・・・。



「・・・・・買いかぶりすぎだよ・・・。」



 しばらくして、ようやくそれだけを口にできた。