そのころ、アランは—。


 なるほど、そういうことかよ。


 デイン、オマエの言った意味、ようやくわかったぜ。


—もう次の目的地を決めたみたいだね。


 あのとき、ルナは、色黒野郎のことを考えてた。


 だから、目的地が決まってたのか。


「ルナ…オマエは、いつまで死者の背中を追うつもりなんだ?いつまで、自分に嘘をつき続ける?いい加減に、現実を見ろよ。嘘つくのをやめろよ。まずは、そこからだろ」


 その声に、答える者はいない。


 なーんてな。人の生き方に口出しできるような立場じゃねぇけどな、俺も。

 だが…ルナ。

 世界を守る前に、まずは、小さなことから始めろ…。

 今のオマエじゃあ、まだ…力はおよばねぇんだから。



   水晶宮に眠る竜・完