グリーンのスタンドカラーシャツに、黒のタブリエ。

 着替えた海樹が、プライベートスペースから出てきた。

 そのまま、むっつりとした顔で、こっちに歩いてくる。
 その不機嫌面を見て、ふと、『もうそろそろ潮時だ』と思う。

 いつも通り、『交代』の一言を不愉快そうに云おうと口を開いた、その一瞬に腕をつかまえた。

「なにすんだよ……ッ!」

 わめくのも構わず、裏口から引きずり出す。