カフェを出たのは、日が傾き始めた午後二時過ぎ。

 正味三時間、【Augasta】で過ごしたことになる。

 そんなに経っている自覚はなかったのに、外に出たら午後の風が吹いていて、ひどく驚いた。

「いい天気ですね~」

 うーんと伸びをして、ピンクのゆるいワンピに着がえた穂波が笑う。

 交代要員の弟の登場で、穂波は晴れて自由の身。

 いそいそと、店を出る俺の後を付いてきたという顛末だ。