「コウヤくんだったわよね」

「あ、はい。菅坂、香也です」

「コウヤくんかあ……」

 音を確かめるように、彼女は俺の名前をくちずさむ。

「あなたは?」

「え?」

 きょとん、とした顔。

 『まずいなあ』、と思う。

 この親娘、似ていないようで、意外とよく似ている。

 未来の穂波と、話をしている感じだ。