俺は特別、運のいい生き物じゃない。 むしろ、この歳には珍しく、『身内のご不幸』なんかも経験したり、してる。自慢じゃないけど。 でも、そんな俺がとりわけ、『運なし!』と主張したいものがひとつ。 ――『オンナ運』ってヤツ。 この場を借りて、穂波じゃないけど、声高らかに宣言したい。 俺は絶対、俗にいう『女難』だ。絶対に! 俺の周囲にいるオンナふたりを見ていると、つくづく、そう思うんだ。