目的地は、ちょっとレトロなガラスドアだった。

 苔色の錆びた鉄枠に、古い洋館のような曇りガラスがはまっている。

 たかが高校生の俺が云うのも生意気だけど、ちょっと面白い趣向だ。

 たかがドア一枚なのに、幾通りの物語がありそうに思える。

 ――でも、俺の物語は、そんなイイ感じのものじゃなかった。

 扉を開けた瞬間、飛び出してきたのは超音波。