次の日。

 押しつけられたカード片手に、歩く俺がいた。

 目的のカフェは、どうやらちょっと駅から距離があるらしい。

 駅の西口半径500mを離れたことのない俺には、ちょっと目新しい店並びだ。

 駅前の雑居ビル群と比べると、ぐっと低くなった景色。

 間口が小さいながら個性的な店構えの雑貨屋やカフェバー。

 この界隈なら、穂波の云う通り『いい店』の期待ができそうだった。