「デートって……」

 休日になるたびに、DVDやらゲームやら、娯楽持参でマンションに押しかける奴の口から、ちょっと珍しいセリフ。

 こいつは『俺の部屋の精』でいれば満足なんだと思っていた。

「そう、デートです!」

 律儀にすすけた床で、裁定を待つ正座のポーズ。

 その律儀さをはねのける勢いで、穂波は身を乗り出してくる。