――もうすぐ、『あの日』から一年が経つ。
 
 降り続く雨で湿ってしまった自慢の髪を乱暴にかきあげて、しよりは俯く。

「あたしも、ここにいていい?」

「だめだ」

 勝手に、唇が動いた。

 はっと顔を上げたしよりが、珍しく、あからさまに傷ついた顔をした。

「サイテイ。少しは迷いなさいよ」

「ごめんな」

 今度こそ、心底謝る。

 床に座り込んだままで頭を下げても、格好悪いだけでも。