ぐっと上がった景色に、全く同じ目線のコウ。

 古い家は云わば、全部が『昔の人サイズ』で、結構きちんと育ち上がったコウは、ちょっと浮いてみえた。

 この屋敷は、『コウ・サイズ』じゃない。家とコウが、反発しあってる。

 コウと同じパーツでできた俺も、たぶん同じ。

 じゃあしよりは、と訊かれたら、彼女はこの家に案外合ってる。

 染めてない真っ黒な髪とか、バタ臭くない端正な顔立ちとか、あんまり高くない身長とか。

 なによりも、まだ俺たちと同じ、『幼い』って呼んでいい年なのに、不釣り合いに大人びた雰囲気とか。