「何度云ったか、わからないですけど!

 そんなの、本体次第です。

 アタマいいかどうかは判断材料にはなるけど、決定打にはなりません」

 律義に答えて、でも俺の答えを予想済みのしょっぱい顔をしてる。

 ――仕方ないだろが。

 心のなかでこっそり呟く。

「でも、コウのほうが格好いく見えるんだよなあ……」

「それも聞き飽きましたから!

 んもう! いい加減にしてください!」

 毎度の俺のぼやきに、穂波がキレて、脳天にトレイの一撃をくれやがった。

 ――前言撤回。ミキさん、娘の教育、間違ってる。