「キョウは、違ってた」

 気を取り直して、話を続ける。

「キョウは、ちょっと変わったコだったわ。

 いつもどこか遠くを見てて、一緒にいると不安になった。

 いつか、どこかへ行っちゃいそうで、怖かった」

 ――そして、本当にいなくなった。

「あたし、ずっと一緒にいたのに、キョウのこと、なにもわからなかった気がするのよ。

 なのに、あの娘は、キョウのこと理解できた。

 キョウもそれを許したんだって思ったら、許せなくなったわ。

 コウまで、渡したくなくなったの」

 だから縋って、寝て――全部、ぶち壊しにした。

 コウはいま、あたしを避けてる。同じ学校に通ってるのに、購買でさえ会わない。完璧に。