勝利宣言とばかりに、にっこり、穂波が笑う。

「次の夏までには、あたし、コウヤくんが離れようなんて絶対! 思わないひとになります!

 しよりさんよりも……キョウヤくんよりも、コウヤくんの肌に近い存在。

 あなたの、完璧で完全な『半分』になってみせますから!」

 軽やかに立ち上がった穂波の腕が、やわらかく肩に、背中に回される。

「覚悟、しておいてくださいね」

 そして、穂波は慣れたふりで、でも真っ赤になりながら――つたなくて甘い、キスをくれた。