「好きです、コウヤくん。

 はじめはキョウヤくんの憧れの影として。

 いまは、ここにいるコウヤくんが」

 ふわりと、穂波の両腕が俺の首に絡み付く。

「……いっぱい黙っていて、ごめんなさい」

 小さく整った顔が近付いてくる、と思ったら、微かな感触が唇を掠めた。

 ほんの少し赤くなった顔で、潤んだ大きな瞳で、穂波が俺を見つめる。

 視線が――交わった。