勢い余った穂波が、ぽてん、とベッドに横倒しになる。

 手のひらマスクははずれ、ちょうど、布団ごしに、俺のひざまくら。

 ふにゃり、と穂波が笑った。

「いい感じですぅ。役得?」

「バカ」

 無防備な後頭部を、半ば本気で殴る。

「痛いですぅ」

 くすくす笑いながら、穂波は頭を抱えた。

 すうっと。

 笑いの波が引くのと同時に、細い手が差し出される。

 冷たい指が、頬にふれた。

「好きです、コウヤくん」