脳みそに穂波の言葉が伝わるまで、数秒かかった。

「あたし、キョウヤくんのコト、そゆ意味ではなんとも思ってなかったし、キョウヤくんだっておんなじ。

 だって、キョウヤくん、しよりさんが、本当に本当に大好きだったんですもん」

 うすボケたアタマが正気に返る前に、穂波は無造作にぽんぽん爆弾を投げて来る。

「それに」

「待て!」

 怒濤の穂波爆弾。

 俺はとっさに手を伸ばして、穂波の口を手でふさいだ。

「ちょっと待て!

 むやみに話しまくるな!

 俺に話を飲み込む時間をよこせ!」

 ぐらぐらに揺らいだ俺と同じ、情けない声で叫ぶ。

「……?」

 穂波が、素直に口をふさがれながら、きょとんとした顔をした。