体温計の電子音が、やけにカンにさわる。

 ごそごそと脇から体温計を引っ張り出し、俺は並んだデジタル数字に目をこらした。

「38度2分……」

 体温なんか、測るんじゃなかった。

 裏付けを得てしまった具合の悪さにうんざりしながら、俺はベットに逆戻りした。

 横になると、めまいががっつり身体を襲う。ぐらぐらとダイレクトに身体のなかの液体が波打つ感じだ。

 ――気持ち悪い。