「ああいうテンションの奴と、つくづく縁があるんだろなあ……」

 ひとりごちて、ひとりごちた自分に自己嫌悪。

「バカくせえ……」

 余計なことばかり考えるアタマを振って、改めて部屋を見渡した。

 放送室から、毎日六時に、誰も聞いてはいないアナウンスが流れる。

 『下校時刻が過ぎました。校舎に残っている生徒は……』という、無駄な親切心いっぱいのアレ。

 今週、当番の放送委員は、彼女ができたばかりの五桐イツキ。

 代役を捜していた奴に、俺が手をあげた。

 と云っても俺は、彼女に貢ぐべくバイトに勤しむ放送委員に、同情を寄せるようなおひとよしじゃない。

 単純にいままでの行動パターンからはずれた場所を、確保したかっただけだ。