不快感で顔を歪ませていると 誰かが私の腕をグイッと引っ張って おじさん地獄から救ってくれた 「………??」 驚いて顔を上げると 「大丈夫?」 坊主頭の野球部っぽい男の子が目の前に立っていた 助けてくれたの?? 「…ありがとう……ございます…」 小さな声でお礼を言うと ─ガタンッ いきなり電車が傾いた 「ひゃっ!」 その振動で後ろに転びそうになったけど 咄嗟に男の子が私の腕を強く引いて ドアと男の子の隙間に入れてくれたおかげで 転ばなかったし揉みくちゃにもされなかった