「いってらっしゃい」

「あぁ・・・」

気のせい。

考えるような事じゃない。

そう、自分自身に言い
いつも通り
輝樹を送り出した。


犬並みの嗅覚があるわけじゃないんだから
そんな 違う匂いが 微かにするからって
気にしなくてもいい。

別に、たいした事ない、

そんな事を考えながらも

輝樹が 昨夜着ていた服に
顔を埋め
確かめようとしてる自分に
嫌気がさしてくる。


でも、やっぱり

輝樹とは 違う匂いが
微かに混じってて・・・


こんな事して、確かめようとして
何になるんだって
思うのに、

それでも
確かめられずにいられなくて
自分が抑えられなくて・・・

輝樹が帰ってきた時のまま
まだ、開けられていない
バッグを開け
中を確認するように
中の物を1つ1つ出していく。

こんな事したくない。
こんな自分見たくない。

そう思ってるのに
止められない。