「お前 誰?」


「私よ!ほら サエコ!
こっち住んでたの!?
テレビとかでまくってたじゃん?
ね、ね 遊ぼうよ」


「いや、無理だし」


「夜でもいいからさ」


「お前 こいつ見えねぇの?」

そう言いながら
私の頭に手を置いた。


「つーことで。」


「え?え?この子が彼女なの?」


「ちげぇよ」


「え?あ、じゃあ 妹?」


その言葉の直後、

呆れたような声で、


「俺の嫁さん」


そう言うと

スタスタと また歩き始めた。


昔と変わらず

輝樹に話しかけてくる女性は

私にという存在は見えないようだけど・・・



嫁さん・・・・



その言葉だけで

そんな事 どうでもよくなる。