パーン、パーンっ
すぐ後の道路で
汽笛のようなクラクションが
何度も鳴り
何事かと
二人して振り向いた。
すると、そこには
窓から顔を出し
こっちを見ている
健二くんの姿・・・
あ・・・、そういえば
さっきの電話・・・
ジュンくんが出て
何か ややこしくなってた事を思い出した・・・
「春菜ちゃん、こっち
おいで、早く」
窓から顔を出し
大声で私に向かって叫んでいる。
「お嬢、誰?
もしかして あいつって
さっきの電話の奴?」
「え?あ、う・・ん」
と ジュンくんの方を見ると
さっきの表情とは まったく違い
すごい形相で健二くんを睨みつけていた姿に
思わず 言葉に詰まった。
その直後、
車の中にいたはずの健二くんが
目の前に現れ
「春菜ちゃん?
ほら、帰るよ?」
そう言いながら
手を差し伸べて立っている。



