「んな顔ばっかされると
全部放り出したくなんだろうが・・」


「ごめ・・・・」


涙で声が詰まって
何も言葉に出てこない。


「すぐ・・・
どうにかすっから。
ちょっとだけ
ガマンしてくれな・・」


「うん、うん・・・
大丈夫」


「ったく、ぐちゃぐちゃなツラしやがって。
そういや・・・・
春菜 明日 正樹に頼んであっから
こき使ってやれよ」


「明日・・・・?」


「あぁ、明日 お前引越しな?」


「明日!?
で、でも まだ
何も準備・・・」


「だから正樹をこき使えって」


「そんなわけには・・・」


「仕方ねぇから
俺が手伝ってやっから。
明日の朝までには
終わんだろ?」


「でも 輝樹 仕事・・」


「でもでもばっか言ってねぇで
ほら、さっさと始めるぞ」


「え?あ、はいっ」


輝樹らしいと言えば
本当 その通りなんだけど
相変わらず
何もかもが急激すぎて
別れを惜しむなんて暇もなく・・・


夜中の4時過ぎ
すべての梱包が終わった。