「ねぇねぇ、佐々木さん」
珍しく みさとさんが話しかけてきた。
「はい?」
「佐々木さんの彼氏って
あのモデルの人?」
「え・・・?」
「ほら、この前
ここに来たじゃん!
あの人って モデルでしょ?
朝 ニュースに出てたもん」
この前・・・・
あぁ・・・そっか・・
みんな 輝樹の顔見てたんだっけ・・
何て返せばいいんだろう・・・
「たぶん・・・」
「たぶんって何?もしかして
秘密にしてるとか?」
「私も よく分からないから・・」
「何それ、付き合ってんのに分からないってはずないでしょ。
教えたくないなら教えたくないって言えばいいじゃん!
あんた 性格悪いよ」
よく分からないって・・・正直に言っただけなんだけど
あーあ・・・怒らせちゃった・・・
怒ったまま歩き去る みさとさんの背後を見ながら
他人事のように 怒らせちゃったなぁ・・・なんて考えてる自分自身も意味不明だけど。
「ねぇ、久保くん
この前きた 双子の人ってさー」
なんだ、聞くの諦めたんじゃなくて
正樹くんの所行ったのか・・・
でも、
そんなの聞いて どうするんだろう・・・



