ナンパ男との恋 社会人編


「さっき、大丈夫だった?」


正樹くんが心配そうに
背後から こそっと聞いてきた。


「あ、うん。たぶん・・・
怪しまれてるけど」


「ほんとに?うわぁ・・・
俺、あの人 苦手なんだよね・・」


だからって 私を巻き込むのは いかがなものかと思うのですが・・・


と、言おうと 後ろにいた正樹くんの方に顔を向けると
すぐ そこに
みさとさんの姿があり
すぐに前を向きなおした。


「春菜ちゃん?」


そんな事を知る由もない正樹くんは
今、この状況に すごくマズい距離に詰め寄り
私の顔の横に来てしまうという
悪循環・・・。


「いる・・・後・・」


すごく小さな声で
そう 正樹くんに言うけれど
聞こえなかったらしく


「・・・ん?」


と、至近距離にまで顔を近づけてくるという・・・

まさに、完全に誤解される距離感。



「いるってば!後・・・」


「え!?うっ・・そ!?」


勢い良く 正樹くんが私から離れたけれど


きっと、完全に手遅れだろう。


なぜなら それ以降

私は みさとさんに完全無視されているから・・・


ため息しかでてこない。

ほんと、もう ダルい・・・