静まり返る室内・・・・


「はい、次!
輝樹 携帯貸して」


微妙な空気を物ともせず
あかりさんは
ベッドの上の輝樹の携帯を手に取った。


「お、おい、何してんだよ?」

「んー、いいからいいから。
もしもーし。サキさん?
私?輝樹の姉ですぅ・・
輝樹が ちょっと具合悪くって
ちょっと来てくれないかなぁって電話したんですけど 忙しいですか?
え?彼女?
輝樹の彼女って サキさんなんでしょ?
えぇ、そう聞いてたから・・・
私が傍にいてあげれたらいいんだけど ちょっと用事があるもので・・・
こんな夜中で申し訳ないんですが来てくれれば・・・はい、アパートです。
はい、それじゃ お願いします~」


「俺の姉って 存在すらしねぇんだけど・・」


「だって、ああいう したたかに猫被る女って 一筋縄じゃいかないわけよ。
まぁ、あんたは男だから 女の本性なんて知らないだろうけどさ」


「そういう問題じゃねぇって・・・
あいつ 下手な事したら
自殺するかもしれねぇんだぞ?」


「だから?
私 そういう女
大嫌いなんだよね。
そういう女に苦しめられてる春菜を見るのは
もっと嫌だし。
大丈夫、私は こんな輝樹みたいなバカじゃないから
ちゃんと決着つけてあげるし。
だから、あんたは 絶対口挟まないでくれる?
ややこしくなるからさー」


さすが あかりさんというか・・

輝樹もタジタジになってしまうほどの説得力と頭の回転力・・・。