何か 私も面倒臭くなってきちゃった。

「ねぇ・・私帰った方がいい?」

「何か用事でもあったんか?」

「う・・ん、ちょっと・・ね。」

と言いながら 目に涙をためていく この女は
きっと女優志望なんだろう。
素晴らしい名演技だ。


「何かあったのか?」

「うん・・・でも、
ここじゃ ちょっと・・・」


私の方に目を向けた。

そういう設定ね・・
なるほど。


「私 どっか行こうかー?」


嫌味をこめて
言ってあげた。


「あ、いや・・・
ちょっと出てくるわ」

「どうぞー、
ごはんはどうします?」

「あー・・・・
食うから・・・」

私の出来かけのおかずを見ながら
気まずそうに言った。


2人が出て行った後の部屋は
驚くほど 静かで・・・

飲みかけのビールを思わず
床に叩きつけた。

トクトクと流れ出て
カーペットに染み込んでいくビールを見ながら

このモヤモヤした気持ちも
全部流れてくれれば
どんなに楽だろう・・・

そんな事を考えてると
携帯が鳴った。