「な、なんのことぞや?」


嘘をつくのが最強に下手だ。


「ブッ・・・」

「おい、こら!なに笑ってんだよっ」


しかもなんか笑ってるし、
それで隠してるつもりかよ!?


あ、これあたしが言える立場じゃない・・・。


「だってお前・・・くくっ。
んで嘘つくの下手なのに勘違いとかされ
てんだ?」

「こっちは嘘ついてるつもりなんて
ありませーんっ」



確かにお兄ちゃんは上手だよね、嘘。

だって上手くなきゃ
王子様とかんなありえないもの・・・



「何か言ったかな?」

「え、いえ!」



こ、心を読まれてしまってる!?


「おい」

「ん?」

「何があったかはもーいいけど・・・
お前、覚悟した方が・・・いや、心の準備
しといたがいいんじゃねーの?」



それだけ言ってお兄ちゃんは家に入る。
あたしはハテナだけをただ浮かべた。