ヤトは何も言わないで固まっている。 きっと何も言えないんだろうな。 覚えてないんだもん。 私だって驚いたし。 ヤトがサクだったなんて… 知らなくても、私もまた好きになるなんて… 「私、ヤトを探しにここまで来たんだよ。一緒に帰ろ?」 もう一度、ヤトに伝える。 やっと見つけた。 時空を飛び越えて。 私のたったひとりの大切な人。 「…叶わないな。」 ヤトはポツンと言葉を漏らす。 それから笑顔を向けた。 「ありがとう。帰ろう。」