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穴が、埋まらない。


私の脳内であのバカが所有した範囲が意外に広かったことに最近気付いた。



伊藤くんでは埋まらない。
優しいけど、下心が溢れてる。

あのバカは。
バカだからかもしれないけど単純に好きだと言ってくれた。

その瞳には私しか写っていなかった。
何の下心もうつされてはいなかった。


後悔の二文字が頭をかすめる。


これもやめないと。

斉藤くんをみる度に心が痛むのもそろそろキツい。


「咲良くん。かえろ？」
「お。ええよ。」

そんなやりとりを聞く度に心が壊れかけるのもキツい。