やまとなでしこ



「藤原。コレ、教えてくんねえ?」

その代わりに、伊藤くんが話しかけてくるようになった。


脇役のくせにしゃしゃりでてくんじゃねえよ。

でも、少しうれしい。


下心があると分かってはいても、こうやって好意を示してくれる人がいるというのは。



だから、バカといるとき、私は本当はとても幸せだった。

必要とされてる気がしたから。



それをつぶしたのは私。

「あ、藤原。俺またお前と…「ごめんなさい。うち、そういうの厳しいの。」


あの夜、私の部屋で、間違いが起きてしまった。