「藤原結良といいます。」 黒板に、流麗な字で名前を書いた後、彼女はそう言った。 「これからよろしくお願いします。」 頭を下げた彼女。 動作の一つ一つに心を奪われた。 美しい、という形容詞がもっとも似合うように思われた。 ニコリとほほえむ彼女にだれも声が出ない。 普通、こんなに可愛い転校生が来たならば男なら泡踊りでもして喜ぶはず。 けどそんなんすら……。 圧倒的すぎるその美貌に教室中が絶句。 そして、その沈黙を破ったのはこころやった。