いつも電子レンジがある場所に、おねえさんが腰掛けている……!!

「あ……あのう……」

「なぁに?」

 にっこりと微笑まれて、あわあわする。

「つかぬことをお伺いしますが……電子レンジ、さん?」

「えぇ、そうよ」

 ――やっぱり!!

「あの、どうして擬人化してるんですか?」

「気分よ」

 ――やっぱ気分なのね。……電気屋さん、そんなこと一言も言わなかったよ……。

「で、ご主人様。それ、温めるんじゃないの?」

 それ、と抱えていた鮭弁当を指差される。

「あ、はい。お願いします」

 ――……渡せばいいのかな?

 とりあえず、電子レンジさんに鮭弁当を手渡す。

「何分?」

「あ、えと、一分半で」

「はいはーい」

 ――どう温めるのかしら……。

 固唾を飲んで、鮭弁当を抱き抱える電子レンジさんを見守る。