School Daysなレクイエム!

下からする刻重さんの香り。シャンプーの香気だ。
これに翻弄されていないなら幻覚ではないのだろう。
ドアの近く、つまり手前に双子。その左脇に裕也がいる。
微かでも動いているのは裕也と双子だけだった。

「皆様、お待ちどうっ! 噂の双子だよっ」

裕也が元気に叫ぶ。
なんだ……?
今、客の目玉だけがギョロリとこちらを向いた。正確には双子を捉えたらしい。