School Daysなレクイエム!

…………

なぜかはわからないが、そうして体育館に漂っていた痛い空気は熱烈歓迎ムードに変わっていった。

なにしろ身動きすら取らせない雰囲気だったのだ。歓迎されたようで助かる。

楽団に目をやると、編隊を組んで椅子に座っている、バイオリンを持った生徒(男)が満面の笑みを浮かべ手で俺を促した。

先にはステージ中央の台。

さらに無意味にうなずく彼。


つまり……

振れと。


数瞬の思考。


――無理だ。

初対面の楽団で指揮することがどんなに難しいか。
曲目もわからないのに指揮するなんてマグロが宇宙で泳ぐくらいありえない。

そんなこと、君が一番わかっているだろう?

俺は目で投げ掛けた。
もちろん、彼の返答は満面の笑みだった。