School Daysなレクイエム!

全力疾走の中

一階と二階の中間

踊り場で

少女と

すれちがった


両手で本の詰まった箱を抱え、よたよたと歩いていた桃色の制服の美少女。


少女の顔立ちは寸分違わぬ造形をされたように整い、どんな名工もその造形美に敵うことはないだろう。

桜色の頬を縁取るような肩までの短いショートブロンドと共に三日月のように結んだ髪が彼女の右側頭部でゆらゆらと揺れ


倒れた


踊り場から階段下まで本が散乱する。

少女はあたふたと慌て周囲にあった本をかき集めるが収拾つかぬ混乱の中、

逃げていたことも忘れ、少女に見入っていた俺と、

視線を重ねた。


強い意思を秘めて輝くその瞳などはまず、一度見たら忘れることはできないだろう。
だんだんとその瞳が涙を見せながらデフォルメされていく。
さらに小さな口元を歪ませ言葉に出さず

懇願する。


『手伝って』