トン


誰かの手が左肩に置かれた音。
狭い部室で俺のみが聞き取れた小さな音。

手が俺の肩を

握った。



言うまでもなく、

全身の毛穴が開き、

一気に覚醒した。


俺はどんな悲鳴を上げていたかわからないが恐怖から逃れるため思わず立ち上がり右に飛び退き謎の手から距離を取りつつ見つめ手から腕、肩と視線を上にずらし、いよいよそいつと目が合った。


見慣れた顔。
毎日会話しているその口が微かに動いて何かを訴える。

ニ ゲ ロ