ユラリと。
船を漕ぎだした俺と裕也。段々とふりこ運動を大きくしている俺達は抱擁するような色声の餌食になっている。
バカな。寝るなんて部活動の説明をしている会長さんに悪い。自分に言い聞かせる。

寝ちゃだめだ寝ちゃだめだ寝ちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだ……

バタンとおおげさな音を立て、俺達の腕が机を叩きつけた。
頬杖が折れ、枕の代わりとして働いた。

「にんにくラーメンチャーシュー抜き……」

むにゃむにゃ、と裕也の寝言。複雑怪奇な寝言だ。

俺と裕也の間で心とろける会長の声と上品な指が子守唄のように俺達の眠りを深くした。