敵チームと思われる人を、するりするりとドリブルしながら走り抜く姿は、何故か周りの人達より、一段と目立つ。


私が見る限り、“せりざわ”の目線の先は、リングただ一つだった。


そんな強くて鋭い視線を上から眺めていた私は、鼓動が早くなる。

どうしてだろう。
私の視線は、ひたすら彼を追う。