──────────…… 草花、空、昆虫、風景… レンズ越しから覗くと、どれもしっくりこなくて結局カメラを下げてしまう。 私はいわゆる、慎重派だ。 適当にパシャパシャッと撮るなんて考えられない。 一枚一枚、運命を感じたものしか撮らない。 ある意味優柔不断なだけかもしれないけれど。 あれから、かれこれ2時間半は経っている。 いまだフィルムの中は空っぽのまま。 「…このままじゃ課題提出できないし」