それよりも、 私は柵に両手を突き、体の上半身を乗り出してすうっと息を吸った。 「登稀せんぱーい!」 コートに戻って練習を再開しようとしていた先輩が、私の声に振り返る。 「さっき顧問の先生が言ってた、10本連続って何ですかーっ?」 おそらく私が考え事をしていた時に先輩が『撮ったか?』と聞いたやつだ。 何をしていたんだろう。 私と目が合うと、先輩はニッと笑った。 「見てみるか?」