「え」 登稀先輩は、少しだけ、目を丸くした。 その時、『ピ──────────』とあの音が、私達のいる2階にまで、当たり前だけれどよく聞こえた。 今日何回目だろう。 ホイッスル音を聞くのは。 その音を合図に、下のほうからザワザワと人の喋る声、歩く音が聞こえ出す。 休憩時間が終わったのだ。