もしかして、この流れでは私も先輩のこと呼び捨てにさせられるかもしれない…。 …女の勘は、大したものだ。 芹沢先輩は、回していたボールを止めて、ニッと笑った。 「だから梓も俺のこと“登稀”って…」 「無理です!!」 即答した私に、先輩は残念がる様子も、怒る様子も見せずに、ただ我に返ったような顔になった。