部屋に時計の音が鳴り響き、手でバシッと止める。
いつもら二度寝してしまうのに、珍しく目が冷め、布団から起き上がる。
顔を洗いに洗面所に行くとすでに、レオが洗ってた。
結局あの後から一言も喋ってないけど、いつもどうりに、話しかける。
心の揺らぎがバレないようにーー。
「おはよ。珍しく起きるの早いじゃん」
「……はよ。お前こそ」
そう言ったレオの顔は、目の下に少しだけ、くまが出来ていた。
水滴を拭った後出て行ったドアを見ながら、うまくやれただろうか、と不安になる。
朝食を軽く食べレオが先に家を出て、慌てて追いかける。
「まっ……」
“まって”、と言いかけて、口を紡ぐ。
もう。
一緒には行けないのだから。
もう少し、してから出よう。
